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映画『山本五十六』を見てきた |
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映画『山本五十六』を見てきた。
簡単にあらすじをたどると、
世論や陸軍、海軍内の多数の意向とは逆に、山本と親しい数名は三国同盟に反対を貫くのだが、
国内の趨勢には敵わず日本は三国同盟を締結。
さらに対米戦争にも反対を貫くが、皮肉にもその山本が対米開戦の指揮を執ることに。
序盤有利な戦局も、ミッドウェイ海戦での南雲中将率いる機動部隊の大敗を契機に戦局は悪化。
南洋の戦線で踏ん張り続けるも、視察中のブーゲンビル上空にて米戦闘機の攻撃を受けて戦死。
最後に山本の死から2年後の敗戦と焼け野原で新聞記者が山本を想うシーンで終わり。
映画として強く描いていると思えるのは、
・対米戦争の方向へ国内を煽りまくる新聞と、乗せられて浮かれる国民。
・とにかく先見の明をもって三国同盟と対米戦に反対し続ける山本グループだが、
その他は全て時勢を読めない賛成派であり、多勢に無勢で悪い流れは止められない。
・反対してきた山本が対米戦争の指揮を執ることになる悲運。
・山本への対抗心を持つ南雲中将の作戦指揮の不味さと大本営の方針が原因で、戦局が優勢から劣勢へ。
・ボロボロに破壊された日本の景色の中で、「浮かれて戦争を始めたからこんな酷いことに。
山本さんはどう思うだろう。」と生き残った新聞記者に語らせて終わっている。
個人的には暗号の不用意さや攻撃の中途半端さ、その他諸々で海軍の動きには不満があるのですが、
まぁ山本五十六を主人公に映画を作ればこんなものなんでしょうね。
原作が半藤一利氏だからというよりは映画としての制約なのだろうとは思いますが、
戦争をせざるをえない日本側の事情、それも経緯などはほとんど語られることなく話は進み、
とくに当時の世界の情勢や日本に対する各国の動き、日本を巻き込んでいく近代世界史といったものは描かれません。
説明臭いと映画のテンポが悪くなる配慮でしょうか。
戦闘シーンは良くできていましたよ。ただ残念ながら短かったです。
爆撃機の側から真珠湾を見下ろせば、なるほどこんな眺めかと、攻撃のシーンに見入ったのは間違いないです。
でもできれば、前日に戦う相手を知らされた後の戦闘員たちの眠れないほどの興奮や、
当日のZ旗(DG旗)の掲揚から出撃シーンでの士気の高まり、不可能を可能にした雷撃隊の雄姿といったものは描いてほしかった。
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